Open Bite
開咬(オープンバイト)
About Symptom
オープンバイト(開咬)とは?
オープンバイト(開咬)は、上下の奥歯が咬み合っていても前歯が咬み合わず、上下の前歯の間に隙間ができている状態を指します。
通常、人の歯を正面から見たときに前歯の間に隙間は生じませんが、上下の前歯が接触せずに空間がある場合、オープンバイトと診断されます。重度の場合には、小指が入るほどの隙間が空いているケースもあります。
症状の進行を防ぎ、咬み合わせを整えるためにも、早めに矯正治療を検討することが大切です。
私たち人間(哺乳類)は、食事の際にまず前歯で食べ物を咬みちぎり、その後に奥歯ですりつぶして咀嚼を行います。咀嚼された食べ物は飲み込まれ(嚥下)、胃へ運ばれ、さらに小腸で消化・吸収されます。
この一連の消化プロセスのなかで、前歯で咬みちぎるという最初の働きはとても重要です。しかし、オープンバイトではこの機能が十分に果たせず、舌で補って咬み切っているなどの自覚症状がある方も多くいらっしゃいます。
そのような場合、食事の効率が低下するだけでなく、消化器官への負担や発音、審美性への影響など、さまざまなデメリットが生じる可能性があります。
症状の進行を防ぎ、咬み合わせを整えるためにも、早めに矯正治療を検討することが大切です。
Cause
オープンバイト(開咬)の原因
オープンバイトの原因には、日常的な癖や習慣によるものと、骨格的な要因によるものの両方があります。
まず、日常的な癖として多く見られるのが、下記などの症状です。
- 幼少期の指しゃぶり
- 舌を前に押し出す癖(舌突出癖)
- 口呼吸の習慣
- 口が常に開いた状態になっている(開口)
上記のような習慣が長期間続くと、歯の位置や咬み合わせに影響を与え、オープンバイトを引き起こすことがあります。
また、オープンバイトは骨格的な遺伝が原因となるケースもあります。とくに、ハイアングル(面長)の顔立ち や、下顎骨の過成長がある方は、オープンバイトになりやすい傾向があります。ご両親のどちらかがオープンバイトであった場合、お子さまにも遺伝する可能性があると考えられています。
Lisk
オープンバイト(開咬)を放置するリスク
オープンバイト(開咬)を治療せずに放置すると、見た目だけでなく、お口の健康や日常生活、さらには全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
主なリスクは以下の通りです。
- 口呼吸になりやすくなり、口腔内が乾燥(ドライマウス)しやすくなる
- 乾燥により細菌が繁殖しやすくなり、虫歯・歯周病・口臭のリスクが高まる
- 前歯が咬み合わないことで奥歯に負担が集中し、将来的に歯を失うリスクが高くなる
- 歯と歯の間に隙間ができることで空気が漏れやすくなり、滑舌が悪くなる・発音が不明瞭になる
- しっかり咀嚼できず、食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまうことで、胃腸への負担が増える
このように、オープンバイトは単なる咬み合わせの問題にとどまらず、呼吸・発音・咀嚼・消化といったさまざまな機能に影響を及ぼす可能性があるため、早めのご相談・治療が大切です。
Treatment
オープンバイト(開咬)の治療方法
オープンバイト(開咬)の治療方法は、精密な診断結果に基づいて決定されますが、主に以下のような矯正治療が行われます。
一般的に他の症例と同様にブラケットとワイヤーを使用する「ワイヤー矯正」で治療を進めます。
オープンバイトは歯並びだけでなく、口腔習癖(舌の癖や口呼吸など)や、歯列と周囲の軟組織とのバランス(バクシネーターメカニクス)が大きく関与しているケースが多いため、口腔筋機能療法(MFT)によるトレーニングを併用します。
また、必要に応じて、アンカースクリューを併用した矯正治療が選択されることもあります。
「前歯でうまく食べ物が咬めない」「常に口が開いてしまう」などのお悩みをお持ちの方は、まずは無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。