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マウスピース型トレーナー(機能的矯正装置)を使用した治療の一例②

マウスピース型のトレーナーということで、上あご、下あごの個別の歯列に被せるマウスピースを想定されるかもしれませんが、シンプルなマウスピースとは異なりあくまでもトレーナーという矯正治療用の装置です。

それでは、下記にトレーナーのご紹介をさせていただきます。

多種多様なマウスピース型のトレーナーがありますが、画像は EF line という装置になります。

症例や歯列の大きさなどに併せて形は様々なものが選べます。

画像は上顎前突用のトレーナーになります。

どの装置にも共通しているのが舌ガイドによる舌挙上が自然にできるように設計されていることです。

また当装置は素材がポリ塩化ビニルですので軟らかめで数あるトレーナーの中では断トツに装着感は良好です。

しかし、装着時間不足などで装置になかなか慣れないうちは装置を歯で噛み切って傷だらけになってしまうこともあります。

それではトレーナーを装着した状態を見てみましょう。

上顎前突用のトレーナーを装着すると、下あごは前方に誘導された状態になります。

下顎前突用のトレーナーでは下あごが少しだけ後方に誘導された状態です。

このまま上下の唇を軽く閉じて鼻で呼吸をしてもらいます。

習慣的に口呼吸をしていると最初は辛くてなかなか使用できない場合もありますが、これもトレーニングの一環です。口呼吸はあくまでも習癖です。

しかし、鼻疾患などで通年鼻の通りが良くない場合には当院では最初に口呼吸を改善して鼻呼吸がしやすい状態になってからこれらのトレーナーを使用するようにしています。

詳細はHPトップページの『鼻呼吸のすすめ』をご覧になってください。

トレーナーを装着することで舌が自然と挙上することに加え、頬や唇の筋肉のバランスも整ってきます。

例えばトレーナーの各部位の役割は

① バンパーは下唇の過緊張をストレッチするとともに舌位を改善する働きがあります。

② 舌ガイドは嚥下時(飲み込む時)舌を口蓋に誘導させて、正しい舌位を確保できるようにします。これにより舌が口蓋の横方向への発育を促します。

③ ツインスプリントは口腔周囲筋(頬など)の干渉を柔らかげ、適切な歯列の排列を促します。前歯部に付与されているティースシェイプガイド(歯型)が前歯の位置を整えます。

④ 咬合面が厚く臼歯部は翼形状になっているため、顎関節部分にかかる力を軽減させることで下顎の成長を促します。

このようにトレーナーを適時に使用することで、いづれ本格的矯正治療が必要になったとしても比較的短期間で済んでしまうことも多々あります。

いかに混合歯列期の時期を利用した機能改善の治療が大切かということが少しでもご理解の助けになれば幸いです。

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