横浜市青葉区 長津田↔青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。
今回はマウスピース型の舌、頬、口唇などの機能トレーニング装置を使った治療例の紹介です。
これはどのような装置なのかという解説は後回しにして、まずこの装置を使った症例を見てみましょう。
初診時の歯並び・噛み合わせの状態です。
① 前歯のかみ合わせが深くて下あごの前歯が上あごの前歯に隠れて見えない状態
② 上あごの前歯の位置が内側に大きく捻じれて回転している
③ 下あごの前歯が横に一直線に並んでいる
①の原因の一つに舌体が下あごの側方歯の上に常時乗っかっていることが考えられます。
②は歯の生える隙間不足や歯の大きさ、歯周靭帯などに起因していることが考えられます。
③は下あごの前歯が常に下唇で内側に強く押されている状態と考えられます。
とにかく、現状の歯並びには舌・頬・唇といった軟組織の力のバランスに大きく影響を受けているということです。
そこで機能矯正装置であるマウスピース型のトレーナーが無理なく装着できるように、まずトレーナーの使用に先行して上あごの前歯の歯並びを最初にある程度並べることにしました。
最初の6ヶ月間は就寝時のみ取外し式の上あご拡大装置を使用してもらいました。
次の写真は治療開始から7か月目、トレーナー使用から1か月後の状態です。
上あごの歯列幅が拡大されたことで前歯の歯並びがある程度改善しています。
実はこの写真はトレーナーの使用を開始して1ヶ月後になります。
下あごの前歯の歯並びが幾分変化しているのが分かると思います。
次の写真は4か月後になります。
トレーナー使用開始から5ヶ月目、前画像の状態から4か月後の状態です。
下あごの前歯のかみ合わせが浅くなっているのに加えて歯並びも整いつつあります。
特に下あごの前歯の歯並びが左右対称にアーチが整いつつあります。
次の写真はさらに1年後の状態です。
トレーナーの使用開始から1年5か月、治療開始からほぼ2年の状態です。
上下あごの歯列のアーチが左右均等に整っています。
前歯の噛み合わせは浅めになっているのは、戻りを想定しているためです。
現在の状態です。
上下あごの左右の側方乳歯が永久歯へと交換が進んでいます。
このようにトレーナーを適切に使用することにより舌・頬・口唇のバランスを整えることで自分の力で咬み合わせや歯並びが改善していく様子がお分かりになると思います。
良好な治療結果を得るには、確かな診断に基づく適切な装置の選択の他に治療のノウハウやしっかりと継続使用させるためのモチベーションアップなどが必須となります。
それでは、トレーナはどのような装置かといいますと・・ 次回へ続きます
横浜市青葉区 長津田&田奈の歯列矯正 長津田アオバ矯正歯科です。
今回は、当院で行っている装置の装着テクニックについてご紹介させていただきます。
当院では永久歯列を対象とした本格矯正治療で固定式装置(ブラケット)を歯の表面に装着する際に、インダイレクトボンディングシステムを採用しております。
インダイレクトボンディングシステム(IDBS)とは、通常のダイレクトボンディングシステム(DBS)に対して技工などの手間がかかる反面、チェアタイムの短縮、ブラケット装着位置の精度向上などといった大きなメリットがあります。
このテクニックは裏側の舌側矯正治療(リンガル裏側矯正)で用いられている装着方法です。
DBSではブラケットを歯の表面に一本ずつミラーで確認しながら直接装着するのに対して、IDBSでは石膏模型上でブラケットの位置決めをした状態でトランスファートレーを作製して、これを口腔内に戻して正確な位置決めを再現する方法です。
以下に示す手順の流れで、皆さまの理解の助けになればと思います。
IDBSではトランスファートレー(インダイレクト用コア)を用いるわけですが、複数の歯にまとめてブラケットを装着することもありますし、一本ごとに装着することもあります。
それではIDBの手順を簡潔に紹介させていただきます。
まず歯面の洗浄後に表面処理としてエッチング処理(酸処理)を行います。
良く水洗してから十分に歯面を乾燥させます。
トレー内のブラケットベース面にボンディング剤を少量盛ってからトレーを歯面にセットします。
トレーを装着した状態で光照射をして歯面に装置を装着していきます。
ブラケット装置を装着した状態です。
ワイヤーを装置に装着した状態です。
下あごの歯に装置を装着した後に上顎の歯に装置がぶつかってしまう場合がありますので、装置を削合したりする調整に少しばかり時間を要します。
ワイヤーとブラケット全ての装着に要する時間は、上あごは大体15分くらい、下あごは装置の調整を入れて25分ほどです。
いかがだったでしょうか。