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舌が歯並びに与える影響は前歯だけではない

こんにちは 横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。

歯並びの乱れは上下のアゴの大きさに対して歯が大きかったりして並びきらないことだけが原因ではありません。

たとえば下記の症例では上顎の歯列が狭くなっているうえ、舌もかなり大きめです。また常に舌が上下の歯の間に入り込んでしまっている状態ですので歯並びに大きく影響を与えています。

このような舌が歯並びに影響を及ぼすケースはかなりの頻度で目にすることがありますので通常の歯を並べる治療に併用して舌のトレーニングを行うことで改善されます。

 

次の成人の症例も同様です。開咬(オープンバイト)といって上下の前歯が被さっていない状況と舌が影響を与えている点では同じなのですが前歯を歯の裏側から押しているのではなく、常時舌体が上下の歯の間に入り込んでいます。

この症例でも側方の歯がかみ合っていない状況ですので、舌の本来の位置と機能を身に着けさせるためのトレーニングを併用しながら歯を並べていきます。

舌が歯列に与える原因を取り除けば、歯列は素直に整ってきます。

当院では小児のみならず成人の方でも必要であれば積極的に舌のトレーニングを併用して治療を進めております。

 

こんにちは 横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。

小さなアゴに前歯が大きいサイズで生えてきたため歯並びが乱れている・・との説明を受けたことがあるかもしれません。しかし実際は生まれつき小さなアゴであるとは限りません。

ではなぜアゴが小さくなってしまうのかというと、小さくなるというよりは歯列の幅が狭くなってしまうのだとおもいます。

ではなぜ歯列の幅が狭くなってしまうのでしょうか。

歯列は下記の図のように舌、頬、唇などの筋肉の力で均等に形が保たれているのが理想です。

ところが歯列の内外にある舌、頬、唇などの筋肉の力のバランスの均衡が崩れてしまうと歯並びが乱れてしまうということです。

例えば下記の左の画像は、頬と下唇の歯列を押す力が非常に強いので、歯列を内側方向に押す力が常時かかっています。すると歯列の個々の歯が内方向に押されてしまいさらに狭くなってしまいます。

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それだけではなく、狭くなった歯列の上に舌が乗っかってしまって臼歯が内側に傾斜してしまいさらに歯列が狭くなります。

遺伝的に奥行きが足りないなどの骨格的な要因もありますが、筋肉のバランスによることが多いですのでまずはこのバランスを整える治療からスタートします。

右の写真は治療開始から10カ月後の下あごになります。筋肉のバランスが整ってきますと歯列の歯の乱れが軽減してくるだけでなく左右対称に整ってきます。

当院では混合歯列期にはMFT(口腔筋機能トレーニング)を併せた治療を積極的に行っております。

 

 

 

 

こんにちは 横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。

前回につづいて今回も親知らずを絡めたお話です。

上にアップした画像の上あご、下あごともに歯列の幅がなんだか狭いように感じませんか?

 

左側の上顎の画像は矢印の方向に頬粘膜により強く押されている状態です。上顎の歯列の幅が狭くなっている理由がこれです。舌がしっかりと口蓋に持ち上がっていれば本来はこのように狭くなることはないはずです。

一方の右側の画像の白い矢印は舌によって上からあるいはオレンジの矢印のように前方向にも力が掛かって歯が傾斜しています。

つまり上下顎ともに、歯列は頬粘膜や舌、口唇といった口腔内外の筋力の影響を受けているということです。

今回示した上下顎の画像で見られる側方歯の歯並びの乱れは親知らずによって後方から押された結果以上に、口腔内外の筋力による影響のほうが大きいと考えられます。

このように口腔内外の筋力による影響で口腔容積が狭くなって舌が窮屈そうな場合は、当院では極力小臼歯は非抜歯での治療を行うことが多いですが、口元の出具合とのバランスも考慮して総合的に小臼歯抜歯・非抜歯の診断をしております。

先ほどの症例の治療前

治療終了後

本症例では舌が窮屈にならないように口腔容積の拡大を試みました。

成長期の方のみならず、成人以降であっても舌や唇などが強く影響を及ぼしていると思われる場合には、当院ではMFT(筋機能療法)を通常の治療に併せて行うようにしています。舌などの過剰な力やバランスを変えることで歯が素直に動くようになることが多いからです。

詳細はブログ記事 2021年1月12日『舌の機能が歯並びに影響する』を参照ください。

 

 

 

こんにちは 横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。

今日は親知らずと歯並びの関係について考えてみます。みなさまの中には通われている歯科医院の先生方に”親知らずが歯を押している”との説明を受けた方もいらっしゃることと思いますが、実際には親知らずがどのくらい歯並びに影響を及ぼしているのでしょうか。

特に下あごの親知らずに関しましてはしっかり歯冠を直立させて萌えている方のほうが圧倒的に少なく、ほとんどの方の親知らずは斜めに傾斜していたり骨の中に水平方向に埋まったままだと思います。

当院には下顎の前歯の歯並びの乱れを気にされて来院された中高年の方が何人かいらっしゃいます。その方々の多くは全体的に歯並びの乱れが少なめな傾向なのですが、大概は上下のあごともに親知らずがしっかりと生えています。しかもちゃんと嚙み合って機能している状態がほとんどです。

また、その方々のほとんどは ”若いころはもっと下顎の前歯が並んでいた” と訴えてきます。

   

実際にかつての歯並びを確認することは叶わないですが、確かにもっと整って並んでいたのではと思われます。つまり歯冠をしっかり出して生えている親知らずは前方の歯を水平方向に押す力が強いのではということです。

しかも咬む機能を常に発揮しているので上下の負荷のみならず、咬合力は前方にも常に大きな力がかかっているということでもあります。

ちなみに斜めだったり水平に埋まった親知らずは歯の咬むという機能はありませんのでこの位置から歯をぐいぐいと押すことは考えにくいと思われます。

治療前

この症例では矯正装置の装着前に上下顎すべての親知らずの抜歯を先行しました。特に下顎の親知らずを抜歯した直後に、患者さまが ”歯が押されている感じがなくなって楽です” ということを話されていました。

治療後

結論:

しっかり頭を出している親知らずは前方の歯を押す力が強いので、若いうちに下あごの前歯がきれいに並んでいても数十年経過するとガタガタになってくるかもしれません。

 

 

 

 

 

横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。

歯並びや咬みあわせの不調和に、舌や口唇そして頬粘膜の力のバランスなどが作用していることを前記事で説明しましたので、さらに今回は呼吸が歯並びにどのように影響を与えるかをお話いたします。

結論から述べますと、歯並びやかみ合わせに大きな影響を与えているのは『口呼吸』です。

とくに口呼吸はやっかいなことに習慣になっていることが多く、鼻呼吸へと自然に改善することは非常に困難です。

ではどのように口呼吸が歯並びに影響を与えるかといいますと、口呼吸をしている状態では必ず『低位舌』という状態になっているからです。

ではなぜ口呼吸をするようになるかといいますと、その原因は単純ではないのですが空気の汚れといった環境、花粉症などのアレルギー性疾患などを含めた鼻づまり、舌小帯の短縮による構造的な舌挙上の困難などが挙げられます。

ちなみに生後すぐの赤ちゃんを観察してみてください。

ちゃんと口を閉じて鼻で呼吸をしています。しかも寝むっている時にちょっと口の中を覗いてみてください。舌が口蓋にしっかりと持ち上がり口蓋に吸いついているのが確認いただけると思います。

舌を挙上するということは鼻呼吸のための必要条件であり、生まれる以前から本来身につけていることなのです。

 

つまり『舌は呼吸器としての機能している』のです。

それが生後数ヶ月もすると空気の汚れといった環境の影響などもあり口呼吸が始まってしまいます。

 

低位舌の歯並びへの影響:

① 鼻がつまると口から空気を入れるため本来口蓋に吸い付いていた舌が下がってしまう

② 舌が下がると上顎の歯並びの側方への負荷がなくなり頬粘膜に押されて歯列が狭く深くなる

③ 上あごの幅が狭くなると歯がお互いの前後で押されて歯並びが乱れてくる

④ 口呼吸でいつも口を開けていると口唇閉鎖力がかからず上顎前歯が前突して出っ歯になる

⑤ 舌が下がると下顎の歯列の中に落っこちてほとんど動かさなくなる

⑥ 低位舌でも前方に舌がある場合と後方にある場合があるが、前方だと比較的歯列の幅は広い

⑦ 後方の低位舌だと、舌の側面が臼歯の上に被さって臼歯が内側に倒れてきたり歯が前方へ傾斜する

⑧ 下顎の歯列の幅が狭くなるので側方歯のみならず前歯の乱れが大きくなる

⑨ 歯並びが乱れるだけでなく舌が下がると下顎骨が後方にさがってしまい、かみ合わせも乱れてくる

舌が下がると上あごは頬粘膜に押されて幅が狭くなり口蓋が深くなってしまう

 

舌の側面が臼歯に被さって歯並びに作用してしまう。左側臼歯が前方に傾斜している様子

 

低位舌の呼吸への影響:

① 口呼吸で舌が下がってしまうと、舌で塞がれていた喉が開いて直接外気が体内に入る

② 汚れた空気、あるいは冷たい外気などの刺激が直接体内に入り込んでしまうとリンパ組織が反応する

③ 免疫に関わるリンパ組織である咽頭扁桃や口蓋扁桃が腫脹することで気道が狭くなる

④ さらに鼻からの通気が困難になり口呼吸が常習化する

⑤ 舌が下がった状態で間違った嚥下(飲み込み)をすることでさらに歯並びやかみ合わせが崩れる

⑥ 舌が下がったままの状態だと下顎骨が後下方へ回転する。上顎骨も同様に後下方へ。

⑦ 気道がさらに狭くなるので気道確保のため姿勢の悪化に加え、成長発育にも大きく影響を及ぼす

⑧ そのうち無呼吸症候群を引き起こす

⑨ 日中眠くてたまらないだけでは済まず、睡眠障害からうつ症状に至ることもある

一番上の矢印は咽頭扁桃(アデノイド)が腫れている箇所を示している。気道が全域で狭くなっている (8歳男児)

 

一番上の矢印は咽頭扁桃(アデノイド)が腫れている箇所を示している。下の矢印は口蓋扁桃の腫脹により舌が押されて特に気道が狭くなっている箇所 (10代前半女性)

 

オトガイの矢印は下顎骨の後方回転を示す。気道が全体で狭くなっている (10代半ば男性)

 

低位舌と下顎の後方回転により狭くなった成人の気道 (20代後半男性)

 

低位舌と下顎の後方回転により狭くなった成人の気道 (30代前半女性)

 

要するに口呼吸していると単なる歯並びの乱れだけでは済まされない、ということです。

矯正治療を受診される方の大半は、前歯の歯並びや口元など明らかに目に見える箇所を気にされて来院されますが、アレルギー性疾患なども含めて鼻づまりや口呼吸とペアであることがほとんどです。

舌の機能や気道の幅が正常であれば、矯正装置が見えない裏側のリンガル装置や昨今広まりつつあるインビザラインなどのマウスピース矯正治療でもまったく構わないと思いますが、初診カウンセリング時ではなく検査時でレントゲン撮影をして気道の狭さに気がつくことも多いのです。

そうであれば、舌挙上や飲み込みなどの機能改善トレーニングを併せた治療が本来必要になってくるのですが、例えば治療中にずっと裏側に矯正装置が装着されていると舌挙上などのトレーニングは非常に困難です。

当院では必要であれば通常の矯正治療だけでなく、呼吸改善を含めた機能向上を図る治療をお勧めしています。

この呼吸改善を併せた歯列矯正治療は未成年までを対象としており成人以降の方には対応していなかったのですが、大人こそ呼吸への対処が必要な場合が数多くみられることから、当院では年齢制限のない新たな治療システムを開発して呼吸改善を念頭に置いた成人を対象とした歯列矯正治療を昨年からスタートしました。

当院での矯正治療が、1人でも多くの方の呼吸や睡眠障害の改善などに貢献できれば幸いでございます。

 

 

 

 

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