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舌と呼吸の密接な関係 呼吸はどのように歯並びと関わっている?

横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。

歯並びや咬みあわせの不調和に、舌や口唇そして頬粘膜の力のバランスなどが作用していることを前記事で説明しましたので、さらに今回は呼吸が歯並びにどのように影響を与えるかをお話いたします。

結論から述べますと、歯並びやかみ合わせに大きな影響を与えているのは『口呼吸』です。

とくに口呼吸はやっかいなことに習慣になっていることが多く、鼻呼吸へと自然に改善することは非常に困難です。

ではどのように口呼吸が歯並びに影響を与えるかといいますと、口呼吸をしている状態では必ず『低位舌』という状態になっているからです。

ではなぜ口呼吸をするようになるかといいますと、その原因は単純ではないのですが空気の汚れといった環境、花粉症などのアレルギー性疾患などを含めた鼻づまり、舌小帯の短縮による構造的な舌挙上の困難などが挙げられます。

ちなみに生後すぐの赤ちゃんを観察してみてください。

ちゃんと口を閉じて鼻で呼吸をしています。しかも寝むっている時にちょっと口の中を覗いてみてください。舌が口蓋にしっかりと持ち上がり口蓋に吸いついているのが確認いただけると思います。

舌を挙上するということは鼻呼吸のための必要条件であり、生まれる以前から本来身につけていることなのです。

 

つまり『舌は呼吸器としての機能している』のです。

それが生後数ヶ月もすると空気の汚れといった環境の影響などもあり口呼吸が始まってしまいます。

 

低位舌の歯並びへの影響:

① 鼻がつまると口から空気を入れるため本来口蓋に吸い付いていた舌が下がってしまう

② 舌が下がると上顎の歯並びの側方への負荷がなくなり頬粘膜に押されて歯列が狭く深くなる

③ 上あごの幅が狭くなると歯がお互いの前後で押されて歯並びが乱れてくる

④ 口呼吸でいつも口を開けていると口唇閉鎖力がかからず上顎前歯が前突して出っ歯になる

⑤ 舌が下がると下顎の歯列の中に落っこちてほとんど動かさなくなる

⑥ 低位舌でも前方に舌がある場合と後方にある場合があるが、前方だと比較的歯列の幅は広い

⑦ 後方の低位舌だと、舌の側面が臼歯の上に被さって臼歯が内側に倒れてきたり歯が前方へ傾斜する

⑧ 下顎の歯列の幅が狭くなるので側方歯のみならず前歯の乱れが大きくなる

⑨ 歯並びが乱れるだけでなく舌が下がると下顎骨が後方にさがってしまい、かみ合わせも乱れてくる

舌が下がると上あごは頬粘膜に押されて幅が狭くなり口蓋が深くなってしまう

 

舌の側面が臼歯に被さって歯並びに作用してしまう。左側臼歯が前方に傾斜している様子

 

低位舌の呼吸への影響:

① 口呼吸で舌が下がってしまうと、舌で塞がれていた喉が開いて直接外気が体内に入る

② 汚れた空気、あるいは冷たい外気などの刺激が直接体内に入り込んでしまうとリンパ組織が反応する

③ 免疫に関わるリンパ組織である咽頭扁桃や口蓋扁桃が腫脹することで気道が狭くなる

④ さらに鼻からの通気が困難になり口呼吸が常習化する

⑤ 舌が下がった状態で間違った嚥下(飲み込み)をすることでさらに歯並びやかみ合わせが崩れる

⑥ 舌が下がったままの状態だと下顎骨が後下方へ回転する。上顎骨も同様に後下方へ。

⑦ 気道がさらに狭くなるので気道確保のため姿勢の悪化に加え、成長発育にも大きく影響を及ぼす

⑧ そのうち無呼吸症候群を引き起こす

⑨ 日中眠くてたまらないだけでは済まず、睡眠障害からうつ症状に至ることもある

一番上の矢印は咽頭扁桃(アデノイド)が腫れている箇所を示している。気道が全域で狭くなっている (8歳男児)

 

一番上の矢印は咽頭扁桃(アデノイド)が腫れている箇所を示している。下の矢印は口蓋扁桃の腫脹により舌が押されて特に気道が狭くなっている箇所 (10代前半女性)

 

オトガイの矢印は下顎骨の後方回転を示す。気道が全体で狭くなっている (10代半ば男性)

 

低位舌と下顎の後方回転により狭くなった成人の気道 (20代後半男性)

 

低位舌と下顎の後方回転により狭くなった成人の気道 (30代前半女性)

 

要するに口呼吸していると単なる歯並びの乱れだけでは済まされない、ということです。

矯正治療を受診される方の大半は、前歯の歯並びや口元など明らかに目に見える箇所を気にされて来院されますが、アレルギー性疾患なども含めて鼻づまりや口呼吸とペアであることがほとんどです。

舌の機能や気道の幅が正常であれば、矯正装置が見えない裏側のリンガル装置や昨今広まりつつあるインビザラインなどのマウスピース矯正治療でもまったく構わないと思いますが、初診カウンセリング時ではなく検査時でレントゲン撮影をして気道の狭さに気がつくことも多いのです。

そうであれば、舌挙上や飲み込みなどの機能改善トレーニングを併せた治療が本来必要になってくるのですが、例えば治療中にずっと裏側に矯正装置が装着されていると舌挙上などのトレーニングは非常に困難です。

当院では必要であれば通常の矯正治療だけでなく、呼吸改善を含めた機能向上を図る治療をお勧めしています。

この呼吸改善を併せた歯列矯正治療は未成年までを対象としており成人以降の方には対応していなかったのですが、大人こそ呼吸への対処が必要な場合が数多くみられることから、当院では年齢制限のない新たな治療システムを開発して呼吸改善を念頭に置いた成人を対象とした歯列矯正治療を昨年からスタートしました。

当院での矯正治療が、1人でも多くの方の呼吸や睡眠障害の改善などに貢献できれば幸いでございます。

 

 

 

 

横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。

歯並びや咬みあわせの不調和を不正咬合といいますが、現状の歯並びの状態にはそれなりの原因があります。

その一つに舌や口唇などの筋力のバランスが歯並びと関係しているということです。

舌の大きさ、形、舌の位置、舌体の裏側にある舌小帯というスジの長短などが歯並びに影響を与えることがあります。

舌体のサイドに歯の痕がくっきりとついている場合は、舌が大きい場合もありますが、下あごの小・大臼歯が内側に倒れて歯列の幅が狭くなっている場合も多いのです。さらには個々の小・大臼歯が上から常に舌に押され続けることで前方に倒されてしまって、前歯にしわ寄せがきて歯並びが乱れることが考えられます。(左下図の白矢印)

 

さらには、舌体は常時下顎の歯列内に収まったままで殆ど動いていない場合も考えられます。

下の写真のように一見歯並びがきれいに並んでいて問題がないように見えますが、舌で前歯を常に押しているから歯並びが整っているに過ぎません。下顎歯列上に舌が覆いかぶさってしまっている様子がおわかりでしょうか。

 

 

舌体は上あごの口蓋に軽く吸い付いて挙上しているのが正常な状態です。もちろん上下唇は閉じています。

舌が挙上している状態では口呼吸ができません。つまり舌が持ち上がっていることは鼻呼吸するための必要条件なのです。

ところが舌小帯が短かったりして舌の挙上が常時妨げられている場合、舌はほとんど動かないために下アゴの歯列内に収まったままの状態で、歯の痕がつくだけでなく舌本来の機能をほとんど果たしていません。

そのため、舌の位置と形に添うように個々の歯が動いてきて歯並びが乱れてくることが考えられます。

このような状態の場合には、矯正治療に併せて舌の挙上トレーニングを行うことで、本来の機能を回復をめざします。勿論トレーニングを単独で行うのではなく、矯正治療を進めながらトレーニング効果をしっかりと引き出していくのです。

舌がきちんと機能するようになれば、舌側(内側)に倒れていた奥歯がちゃんと頬側に直立して、舌の収まる空間が拡大する、嚥下機能が回復する、発音がしやすくなる、咀嚼効率が上がる、気道が広がる、呼吸が楽になる、歯並びだけでなく上下顎の不調和の改善に多くの成果や効果が見込まれます。

それだけ舌の機能は歯並びと密接に関係しているのですが、上下の口唇や頬粘膜の筋力のバランスも舌同様に歯列の歯並びに影響を与えています。

矯正治療後に保定期間が終わってからも長期にわたって歯並びが安定するということは、これらの軟組織(舌、唇、頬)が新しい環境にバランスよく機能的に調和するようになっているということです。

初診 下顎の歯並びの状態

現在 舌挙上のトレーニング中

ただし無理のない歯並びの状態や、歯を支えている歯槽骨の状態も歯並びに大きく影響を与えていることはいうまでもありません。

それでは、今日はこの辺で。

次回は呼吸と舌の関係をもう少し詳しくお話します。

こんにちは 横浜市青葉区 長津田&青葉台の歯列矯正 長津田アオバ矯正歯科です。

混合歯列期の歯列治療で、そこそこ治療が進んできますとこのような質問を受けることがあります。

結論を先に述べてしまいますと、歯列矯正治療を早く終わらせてしまうことを期待することよりも最後までしっかり治すことが大事、ということに尽きます。遠距離の転居などで通院が不可能になるなどの物理的な制限がない限りは、終了を急ぐべきではありません。

それでは、さきほど述べた “最後まで” の 最後 とはいつ頃なのかということになりますが、第二大臼歯いわゆる12才臼歯がきちんと問題のない位置に生えそろって、12才臼歯が上下でかみ合う頃ということです。

12才臼歯がまだ生えていない時期に早々と治療を終わらせてしまうと、後になってから12才臼歯が歯列からずれた位置に生えてきてしまうことがあります。上下の12才臼歯がかみ合わない状態になってしまいますと、いずれ本格矯正治療を受けざるを得ない可能性がでてくるということです。

仮に臼歯のかみ合ってない状態でずっとほったらしにしますと、その臼歯には噛むという機能がないので虫歯や歯周炎になるリスクが格段に上がります。咀嚼効率も下がりますので当然ながら消化に良くなく胃腸に負担がかかることも考えられます。上下あごの噛み合わせがずれてくることもあります。

つまり、I期治療である混合歯列期の治療を12才臼歯が生える前に早々と終わらせてしまうのは “矯正治療を半ばで終了” 言い換えれば治療の中断ということになります。

もちろん、個人差がありましてこの12才臼歯がなかなか生えてこない場合もありますし、混合歯列期のI期治療から永久歯列期でのII期本格治療に移行する場合が殆どですが、上下顎のワイヤーによる本格矯正治療を必要とせずに終了できる場合も勿論ございます。

それではI期治療(混合歯列期の治療)で終了できた症例を示してみたいと思います。

上あご前歯が前方に傾斜しており、しかも相対的に下あごが後退している上顎前突(出っ歯)の状態です。

 

まずこのような取り外しのできる装置を上あごに夜間のみ8か月間装着していただきました。

この装置を装着した目的は上あごの歯列幅拡大に加えまして、上あご前歯を後ろに引っ込めるためです。

次に上あご歯列幅拡大後に機能的矯正装置(下あごの前方への成長を誘導する装置)を3年間使用しました。この装置の装着期間ですが、乳歯がすべて永久歯に交換するまでの期間になります。

上下あご共にすべての乳歯が永久歯に交換して数か月後の噛み合わせの状態です。

この時点では上あごの12才臼歯である第二大臼歯がまだ生えていません。つまり、歯並びが整ったこの時点で ”もういいですよ” と治療をとっとと終わらせてしまうのはまだ早い ということです。

6才臼歯の後ろに生えてくる予定の12才臼歯がこの時点ではどのように生えてくるかがわからないからです。

従って、12才臼歯が下あごの12才臼歯と適度にきちんと咬みあうことが確認できるまでせめて経過観察をします。

写真で確認できますように上あごの左右側12才臼歯がきちんと生えています。この噛み合わせに至るまで、本症例では固定式矯正装置での本格的矯正治療はせずにI期治療のみで終了しています。

せめてこの12才臼歯がしっかり生えてくるまでは治療の終了を急がずにじっくりと待つべし、ということです。

こんにちは 横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。

今回の話題は患者さまサイドにとってはあまり、いや殆ど関心がないかもしれません。といいますのも普段目にすることはない大臼歯に装着する技工物の一部品だからです。

でも、実はこの部品が治療の過程の中で『縁の下の~』というほど治療を効率的に進めるのに欠かせない装置の一部でもあることですし、毎回の治療時間の短縮にも貢献するというとても重要な部品ですのでこの際詳細に紹介したいと思います。

これまで口腔内で簡単に脱着可能な技工物には専ら “STロック” という優れたロックシステムに依存してきましたが、このSTロック自体はすでに70年近く前から使われているロングセラー商品でもあります。

この安価で非常に優秀なロックシステムの唯一の短所は、ステンレススチールワイヤーのみの対応ですので設計に制約が生じ、ろう着作業が必須であることです。

実はこの唯一の短所自体が 最大の欠点 でして、例えば歯列側方拡大などで矯正力を加える装置にはどうしてもワイヤーのループ屈曲などが必要となってきます。

ステンレススチールという素材自体が硬いためどうしてもワイヤーにループを組み込まない限り、矯正力を加える装置としては使いづらいのです。

しかし、技工物にループを付与すると装置自体が複雑な構造になるので歯列裏側に装着された装置に食物が絡まりやすくなり、更には歯列の側方へ矯正力を加えていくと技工物のワイヤーが粘膜に食い込んでしまうリスクなどが避けられません。

つまり装着感を良くするために粘膜に

対して適合の良い技工物を作製するとワイヤーが粘膜に食い込むリスクが高まり、反対に粘膜に食い込まないようにワイヤーを浮かせて作製すると装着感がイマイチなのです。

拡大装置の適合が良すぎると、側方への拡大力を加えていくに従って装置が粘膜に食い込みやすくなるステンレススチールワイヤーに代わり、ゴムメタルやTi-Mo(チタンモリブデン)などのチタン系ワイヤーが使えるようになりますと、これらの素材はステンレスに近い剛性を持ちながらしなやかで弾性力がありますのでループを屈曲する必要がなくなります。さらに技工物にループがないために構造が非常にシンプルになり口腔内での装着感が向上します。

ところが、このチタン系ワイヤーはSTロックなどの従来のステンレス製のロックアタッチメントに組み込むことが簡単にはできません。なぜならチタン合金と異種金属では特殊な接合技術を必要とするからです。

つまりステンレス製のロックアタッチメントとチタン系ワイヤーをいかに固定するのかという大きな課題が生じました。

実はゴムメタルなどのチタン系新素材が技工物に使うための専用のロックシステムはあるにはあります。構造はロックアタッチメントに組み込まれたマイクロスクリューでワイヤーをロックする仕組みです。技工物の構造は非常にシンプルですので、このシステムの恩恵は多大なものがあります。

ゴムメタルなどチタン系のワイヤーに対応できるGMアタッチメント (JM Ortho HPから抜粋)

しかし、この専用ロックアタッチメントの高さが思いのほか大きくて症例を選ばざるを得ず、どんな症例にも適応できるわけではないのが残念なところです。

他にもロックシステムは確かにありますが、STロックの性能を凌ぐわけではなくステンレススチールワイヤーのみしか使えないということには変わりません。しかも技工物の作製自体が一層煩雑になることに加えて技工物の口腔内での脱着がしずらいという課題が依然として残ります。

リンガルシース (ASO Internatinal のHPから抜粋

3Dシステム (ASO Internatinal のHPから抜粋)

そこで上記の欠点をすべてクリアしなければならない必要な課題は以下の通りになります。

克服すべき課題:

・Ti-Moやゴムメタルなどのチタン系ワイヤーを技工物に組み込めること

・帯環(バンド)とボンディングのどちらにも対応可能であること

・技工物の口腔内での脱着が簡単であること

・ロックシステムを上顎歯列だけでなく下顎歯列にも使用可能であること

・安価で作製が簡単であること

・技工物のシンプルな設計が可能であること

・薬事法で許可された材料を使用すること

このような課題の条件をほぼ満たすロックシステムは、材料が進化した現在でも未だにありません。そこで、”ないのであれば新たに作ってしまおう” ということで数年前から試行錯誤しながら考えては作って、作っては断念、をずっと繰り返してきました。これらの上記の課題を一つずつ克服しながら試作品を作り続けて、ようやく全ての条件を満たすロックシステムが出来上がりました。技工作業は簡単なうえ、すぐに臨床応用してみたところ思いのほか使い勝手も良好でした。

新しいロックシステムは歯にしっかりと装置を固定できますので、歯に対して安定した矯正力を加えることができます。

新しいロックシステムの特徴:

・Ti-Moやゴムメタルなどのチタン系ワイヤーを技工物に組み込められる

・バンド(帯環)とボンディングのどちらにも対応可能

・シンプルな設計なうえ口腔内での脱着がとても簡単

・上顎・下顎ともに使用可能  しかも症例を選ばない

・安価で作製がとても簡単 (ただし専用の技工機器は必要)

・すべて薬事法で許可された材料を使用

それでは新しいロックシステムを使用した技工物の紹介をしましょう。今回の開発目的は 『 より快適に しかも治療効果は最大に 』 です。

新開発のロックシステムではバンド(帯環)/ボンディングのいずれも対応可能

この新しいロックシステムは技工物の脱着装置としてだけではなく 治療用アタッチメントとしても幅広く応用できます。 今後は臨床でさまざまな用途に活用していきたいと思います。

上記の課題すべてを克服した新しいロックシステムですが、今後商品化の可能性はあるにはあるものの当面は当院限定での使用となります。

他にも年始に紹介した次世代型リテーナーを含めて、実はこれまで長津田アオバ矯正歯科では各種装置や計測器を新たに開発してきました。これらの開発製品の一部しかまだ紹介できていませんが、皆さまの日々の治療を効率よく進めるにあたり陰ながら非常に役立てております。

そして、何気ない日常の中にある何かしらの不便や疑問などが新たな商品開発につながる源泉であると思います。皆さまのなんらかの普段感じている疑問や不便さの中にはお宝がたくさん眠っています。

何とかならないかという課題に対して常に創造力を働かせると、そこに第六感が作用して新しい大きな発見・発明につながるかもしれません。

こんにちは 横浜市青葉区の長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。

歯列矯正といえば、皆さまはまず治療に使用される矯正装置を連想されるのではないでしょうか。

このように矯正装置のほうに関心を寄せがちなのですが、今回は治療装置ではなくあながちメジャーな存在ではないリテーナーを取り上げてみたいと思います。

矯正治療では歯を動かす動的処置の期間と歯並びを安定させる保定期間に分けられます。長い治療の末の開放感から保定が軽視されがちなのですが、動的処置による治療結果を左右してしまうとても大切な期間なのです。

保定期間では長い時間をかけて仕上げた歯並びやかみ合わせを安定させるリテーナーという保定装置が使われます。リテーナーにはさまざまなタイプがあるのですが、ひょっとしたらどのリテーナーを使うかで歯並び具合の予後を左右することがあるかもしれません。

リテーナーは下記のようなタイプに大別できます。

・プレート(床)タイプ (一般に広く使用されている)

・マウスピースタイプ(別名 クリアリテーナー)

・審美リテーナー (歯の表面に金属ワイヤーを使用しないプレートタイプ)

・固定式リテーナー (歯の裏側に固定して外れないタイプ)

プレート(床)タイプのリテーナー

 

マウスピースタイプのクリアリテーナー

 

固定式リテーナー (当院では主に下顎の前歯部に使用)

 

これらのリテーナーのデメリットは以下の通り:

① プレートタイプのリテーナーは壊れにくいけれど太いワイヤーが歯の表側に見える・・

② プレートタイプのリテーナーは咬み合わせや技工の精度具合では歯並びの保持が完全ではない・・

③ プレートタイプの金属接合部のろう着部分が銀の酸化膜で黒ずんでくる・・

④ マウスピースタイプのリテーナーの見た目はいいけど汚れて色がくすみやすい・・

⑤ マウスピースタイプのリテーナーは装着感はいいけど、穴が開いたり破折しやすい・・

⑥ マウスピースタイプのリテーナーは歯の全体を覆ってしまうので上下顎のかみ合わせが変わってしまうことも・・

⑦ 審美リテーナーはプレートタイプと同様、咬み合わせや技工の精度具合によって歯並びの保持が左右される・・

⑧ 固定式リテーナーは着けっぱなしで楽だけどデンタルフロスを通せない・・

というように

各々リテーナーにはメリット・デメリットがあり完璧な条件を満たす理想のリテーナーはなかなか見つけられません。

当院ではかつてはプレートタイプのリテーナーを選んでいたのですが、長期間にわたる保定具合(特に下顎の前歯)に難があることから上顎には主にマウスピースタイプのクリアリテーナー、下顎には主に固定式リテーナーを採用しております。

しかしクリアリテーナーは咬み合わせ具合などで比較的短期間に破折してしまうことも多々あり、再作を余儀なくされてしまいます。また審美リテーナーは、機能面では通常のプレート(床)タイプとほぼ同じです。

 

太めのワイヤーで前歯などを囲むためどうしても目立ちやすい

 

金属の接合部が銀ろうの酸化膜で黒くなってしまう

 

歯の形状や咬み合わせ・歯ぎしりなどで装置に穴が開いてしまったり、脱着などの扱い方次第では破折しやすい

 

そこで、

理想のリテーナーがないのであれば新たに作ってしまおうと試行錯誤を重ねて、先日ようやく納得のいく形に仕上がりました。

今回作り上げたリテーナーは見た目にも非常に優れており、プレートタイプとクリアリテーナーのいいとこどりをしたともいえます。

① 見た目に優れている

② 歯列保定の精度が良い

③ 壊れにくい構造

④ ろう着部分がないので銀ろうで黒ずんだりしない

⑤ 目に見える箇所の変色はほとんどなし

⑥ 装着感が良好

⑦ 大きさがコンパクトで装着時の違和感が少ない

など、これまで使用してきた各リテーナーのメリットはそのままでデメリットを極力排除した会心の出来でもあります。

画像のタイプは一例で、他にもバリエーションがあります。弾性を持つ透明の樹脂ワイヤーは見た目と機能だけではなく生体適合性にも非常に優れた医用高分子材料を使用しております。

他のリテーナーにはない一番の特徴は 表側・裏側ともに弾性機能を持つ樹脂ワイヤーで覆うことで歯の後戻りに対する動きを抑えていること です。

欠点としましては

① 歯の形状によって装置装着の保持力が得られにくい場合がある

② 装置の調整がややむずかしい

が挙げられましてこれからの課題となっておりますが、いまのところ殆どの症例に使用可能となっております。

また、この見た目と機能に優れたリテーナーを裏側矯正治療をされた方々にもお見せしたところ、”これなら目立たないし快適そうなのでぜひ作って欲しい” という感想をいただきました。

というわけで今回新たに独自開発した次世代のリテーナーの紹介をさせていただきました。

ひょっとしたら動的治療期間よりも長くなるかもしれない保定期間を、この次世代型リテーナーで快適にお過ごしになるのはいかがでしょうか。

 

透明のワイヤーは歯の色と同化してイイ感じですよ

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