こんにちは 横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。
紹介する症例は上下前歯のミッドラインのずれているというものです。程度はわずかにずれている状態からかなりずれている状態、さらには左右のかみ合わせ自体が大きくずれていることもあります。
下記の症例は、咬合自体の左右差はそれほど認められませんが上下前歯が切端で咬み合っています。さらにはやや骨格的に反対咬合の傾向があります。
今回診断では非抜歯で治療をすすめることにしました。
ミッドラインを合わせるような治療にはいくつか方法があります。上下前歯の正中のずれが大きい場合には小臼歯抜歯の選択が必要な場合もあります。また小臼歯や大臼歯などの側方歯を遠心への移動が必要になることもあります。
今回は前歯正中のずれが2ミリ程度であることに加えまして、小臼歯非抜歯で治療を行うため上顎歯列を拡大装置で幅を広げることで少しずつ前歯のスペースを作りました。
動的治療期間は1年9カ月でした。現在3年が経過していますが順調に保たれております。
こんにちは 横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。
歯並びの乱れは上下のアゴの大きさに対して歯が大きかったりして並びきらないことだけが原因ではありません。
たとえば下記の症例では上顎の歯列が狭くなっているうえ、舌もかなり大きめです。また常に舌が上下の歯の間に入り込んでしまっている状態ですので歯並びに大きく影響を与えています。
このような舌が歯並びに影響を及ぼすケースはかなりの頻度で目にすることがありますので通常の歯を並べる治療に併用して舌のトレーニングを行うことで改善されます。
次の成人の症例も同様です。開咬(オープンバイト)といって上下の前歯が被さっていない状況と舌が影響を与えている点では同じなのですが前歯を歯の裏側から押しているのではなく、常時舌体が上下の歯の間に入り込んでいます。
この症例でも側方の歯がかみ合っていない状況ですので、舌の本来の位置と機能を身に着けさせるためのトレーニングを併用しながら歯を並べていきます。
舌が歯列に与える原因を取り除けば、歯列は素直に整ってきます。
当院では小児のみならず成人の方でも必要であれば積極的に舌のトレーニングを併用して治療を進めております。
こんにちは 横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。
小さなアゴに前歯が大きいサイズで生えてきたため歯並びが乱れている・・との説明を受けたことがあるかもしれません。しかし実際は生まれつき小さなアゴであるとは限りません。
ではなぜアゴが小さくなってしまうのかというと、小さくなるというよりは歯列の幅が狭くなってしまうのだとおもいます。
ではなぜ歯列の幅が狭くなってしまうのでしょうか。
歯列は下記の図のように舌、頬、唇などの筋肉の力で均等に形が保たれているのが理想です。
ところが歯列の内外にある舌、頬、唇などの筋肉の力のバランスの均衡が崩れてしまうと歯並びが乱れてしまうということです。
例えば下記の左の画像は、頬と下唇の歯列を押す力が非常に強いので、歯列を内側方向に押す力が常時かかっています。すると歯列の個々の歯が内方向に押されてしまいさらに狭くなってしまいます。
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それだけではなく、狭くなった歯列の上に舌が乗っかってしまって臼歯が内側に傾斜してしまいさらに歯列が狭くなります。
遺伝的に奥行きが足りないなどの骨格的な要因もありますが、筋肉のバランスによることが多いですのでまずはこのバランスを整える治療からスタートします。
右の写真は治療開始から10カ月後の下あごになります。筋肉のバランスが整ってきますと歯列の歯の乱れが軽減してくるだけでなく左右対称に整ってきます。
当院では混合歯列期にはMFT(口腔筋機能トレーニング)を併せた治療を積極的に行っております。
こんにちは 横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。
前回につづいて今回も親知らずを絡めたお話です。
上にアップした画像の上あご、下あごともに歯列の幅がなんだか狭いように感じませんか?
左側の上顎の画像は矢印の方向に頬粘膜により強く押されている状態です。上顎の歯列の幅が狭くなっている理由がこれです。舌がしっかりと口蓋に持ち上がっていれば本来はこのように狭くなることはないはずです。
一方の右側の画像の白い矢印は舌によって上からあるいはオレンジの矢印のように前方向にも力が掛かって歯が傾斜しています。
つまり上下顎ともに、歯列は頬粘膜や舌、口唇といった口腔内外の筋力の影響を受けているということです。
今回示した上下顎の画像で見られる側方歯の歯並びの乱れは親知らずによって後方から押された結果以上に、口腔内外の筋力による影響のほうが大きいと考えられます。
このように口腔内外の筋力による影響で口腔容積が狭くなって舌が窮屈そうな場合は、当院では極力小臼歯は非抜歯での治療を行うことが多いですが、口元の出具合とのバランスも考慮して総合的に小臼歯抜歯・非抜歯の診断をしております。
先ほどの症例の治療前
治療終了後
本症例では舌が窮屈にならないように口腔容積の拡大を試みました。
成長期の方のみならず、成人以降であっても舌や唇などが強く影響を及ぼしていると思われる場合には、当院ではMFT(筋機能療法)を通常の治療に併せて行うようにしています。舌などの過剰な力やバランスを変えることで歯が素直に動くようになることが多いからです。
詳細はブログ記事 2021年1月12日『舌の機能が歯並びに影響する』を参照ください。
こんにちは 横浜市青葉区 長津田 & 青葉台の長津田アオバ矯正歯科です。
今日は親知らずと歯並びの関係について考えてみます。みなさまの中には通われている歯科医院の先生方に”親知らずが歯を押している”との説明を受けた方もいらっしゃることと思いますが、実際には親知らずがどのくらい歯並びに影響を及ぼしているのでしょうか。
特に下あごの親知らずに関しましてはしっかり歯冠を直立させて萌えている方のほうが圧倒的に少なく、ほとんどの方の親知らずは斜めに傾斜していたり骨の中に水平方向に埋まったままだと思います。
当院には下顎の前歯の歯並びの乱れを気にされて来院された中高年の方が何人かいらっしゃいます。その方々の多くは全体的に歯並びの乱れが少なめな傾向なのですが、大概は上下のあごともに親知らずがしっかりと生えています。しかもちゃんと嚙み合って機能している状態がほとんどです。
また、その方々のほとんどは ”若いころはもっと下顎の前歯が並んでいた” と訴えてきます。
実際にかつての歯並びを確認することは叶わないですが、確かにもっと整って並んでいたのではと思われます。つまり歯冠をしっかり出して生えている親知らずは前方の歯を水平方向に押す力が強いのではということです。
しかも咬む機能を常に発揮しているので上下の負荷のみならず、咬合力は前方にも常に大きな力がかかっているということでもあります。
ちなみに斜めだったり水平に埋まった親知らずは歯の咬むという機能はありませんのでこの位置から歯をぐいぐいと押すことは考えにくいと思われます。
治療前
この症例では矯正装置の装着前に上下顎すべての親知らずの抜歯を先行しました。特に下顎の親知らずを抜歯した直後に、患者さまが ”歯が押されている感じがなくなって楽です” ということを話されていました。
治療後
結論:
しっかり頭を出している親知らずは前方の歯を押す力が強いので、若いうちに下あごの前歯がきれいに並んでいても数十年経過するとガタガタになってくるかもしれません。