主訴:前歯のかみ合わせが反対なのが気になる
初診時年齢:7歳5か月
性別:男性
診断名:上顎骨劣成長にともなう前歯部の反対咬合
抜歯/非抜歯:非抜歯
装置名:永久歯歯列からマルチブラケット装置
治療費用:約77万円(税抜)と来院時に調節料5,500円(税抜)
治療期間:6年2ヶ月
治療に関する副作用/リスク:カリエス 歯肉炎
小児の反対咬合の症例です。初診で来院されるほとんどの方は治療開始のタイミングでお悩みになっているのではないでしょうか。反対咬合は前歯の被さりが反対であるだけではなく、遺伝性の骨格的な反対咬合の場合が多いですのでまずは早めに相談にいらしていただければと思います。
前歯の被さりが反対のままですと上アゴの前方への成長が抑制されてしまいますし、前歯のみの部分的な反対咬合から骨格的な反対咬合に移行してしまう可能性もあります。
特に中顔面(鼻の周り)の発育を抑制してしまいますので反対咬合の治療開始時期は早めのほうがいいのですが、成長が落ち着くまで長期に至ることが多いですので全体の治療期間は長期に至ることも多いです。
反対咬合は前歯だけでなく側方歯の被さりも側方拡大するなどで早期に改善しておくことが重要です。
前歯の歯並びと被さりが改善されたらこれでおしまい・・ではなくてここからが本当のスタートです。本症例ではこれから側方歯が乳歯から永久歯へと交換が始まります。
乳歯がすべて永久歯に交換しましたが、第二大臼歯の萌出はこれからです。
上顎の第二大臼歯が萌出するころに上顎にワイヤーとブラケットによる治療を開始しました。
上顎にワイヤーを装着してから6カ月後に下顎にもワイヤーを装着した当日の状態です。
ワイヤーによる治療開始から1年経過、治療開始から6年2カ月で動的治療が終了しました。早期から治療を始めたことでワイヤーによる治療は比較的短期間で終了させることができました。
主訴:前歯のかみ合わせが反対なのが気になる
初診時年齢:11歳
性別:女性
診断名:上顎骨劣成長にともなう前歯部の反対咬合
抜歯/非抜歯:非抜歯
装置名:マルチブラケット装置
治療費用:約77万円(税抜)と来院時に調節料5,500円(税抜)
治療期間:3年0ヶ月
治療に関する副作用/リスク:歯根吸収 歯肉炎 歯肉退縮
前歯の噛み合わせが反対なことと歯並びの乱れが気になって来院されました。初診時には下あごが相対的に前方にでており、特に上顎前歯の萌出スペースが足りない状態です。下あごの前歯歯肉の一部に歯肉が下がった退縮がみられます。
混合歯列期での治療スタートですので小臼歯などの抜歯の判断は保留にして、まず上顎歯列幅の拡大を行いました。上あごの左右犬歯も萌えてきて前歯のが生えるスペースが全く足りない状態です。下記の画像は拡大終了時です。
上あごの幅を拡大した後に上あごにマルチブラケットによる装置で少しずつスペースをつくりながら個々の歯の牽引を行いました。
上記画像のマルチブラケットによる治療スタートから10カ月後です。
さらに12カ月後です。マルチブラケットによる治療から1年10カ月経過しています。
治療開始から3年経過、マルチブラケットによる治療から2年3カ月経過しています。
保定開始から3年経過した状態です。咬合状態も安定しております。
主訴:前歯の見た目が気になる
初診時年齢:25歳
性別:男性
診断名:骨格性反対咬合
抜歯/非抜歯:非抜歯
装置名:マルチブラケット装置
治療費用:約70万円(税抜)と来院時に調節料5,000円(税抜)
再治療期間:1年2ヶ月(totalで3年7ヶ月)
治療に関する副作用/リスク:歯の移動時の痛み 装置による口腔粘膜の口内炎
受け口(骨格性反対咬合)の治療過程の途中で遠方へ転勤されることになりましたので、一時的に装置を外した状態で仮保定していただきました。
2年半ほどのちに転勤先から戻られましたので治療を再開することになりました。
再診時に一番気になることは、下あごがずれていて左側で噛みにくいとのことでした。
装置を外した時の写真でなくて申し訳ないのですが、治療終了直前の状態です。
上・下あごの歯に必要最小限の範囲で装置を装着して、部分矯正で治療をすすめました。
上下の前歯のずれもほぼ一致して、左右均等に咬めるようになったとのことです。
主訴:前歯の歯並びが反対なのが気になる
初診時年齢:10歳
性別:女性
診断名:前歯部叢生を伴う反対咬合
抜歯/非抜歯:非抜歯
装置名:可撤式装置 → マルチブラケット装置
治療費用:約70万円(税抜)と来院時に調節料5,000円(税抜)
治療期間:3年9ヶ月
治療に関する副作用/リスク:歯の移動時の痛み 装置による口腔粘膜の口内炎
前歯の歯並びを治したいとのことで来院されました。
上あごの歯列幅が狭く、矢印で示す箇所のように左側の犬歯の生えるスペースが足りない状態です。
前歯の噛み合わせが浅めの反対咬合のケースですが、骨格的な因子はそれほど強くないため下顎の成長方向のコントロールや上顎前方牽引は必要ありませんでした。
永久歯列への交換末期で、最初の半年ほど取り外し式の拡大装置を上あごに夜間のみ装着して上あご歯列幅の拡大を行いました。
ワイヤーの固定装置による動的処置を行いながら上下あごの12歳臼歯(第二大臼歯)が正常な位置に萌出するように誘導しました。
主訴:前歯のかみ合わせが反対なのが気になる
初診時年齢:10歳
性別:男性
診断名:骨格性反対咬合
抜歯/非抜歯:非抜歯
装置名:マルチブラケット装置
治療費用:約70万円(税抜)と来院時に調節料5,000円(税抜)
治療期間:7年10ヶ月
治療に関する副作用/リスク:長期治療 装置による口腔粘膜の口内炎
前歯の噛み合わせが反対なのが気になって来院されました。
初診時にはすでに下あごが相対的に前方にでており、後に永久歯が生えそろってから前歯以外にも問題のある箇所が生じたケースです。
前歯の噛み合わせが浅い状態ですので、このままでは下あごが前下方向へさらに成長する可能性が非常に高い状態です。
混合歯列期からの治療スタートでしたので、上顎歯列幅の拡大を行うとともに、夜間にチンキャップ(あごあて)を併用していただきました。
永久歯列になったのちにワイヤーの固定式矯正装置を上下あごともに装着しています。
また身長の伸びと同時に下あごの前下方向への成長が長期間続きました。
上あごは八重歯になりましたがかろうじて小臼歯抜歯をせずに個々の歯を並べました。
その結果、上あごの奥行が足りなく最後臼歯である第二大臼歯が左右側上下で交叉した咬み合わせになりましたので、しっかり治してから装置を外しました。